救急医?の雑記帳

日々感じたこと,調べたこと,得たこと,目標としていることなどを備忘録目的に不定期にまとめていこうと思います.

2017-01-01から1年間の記事一覧

# ERで虚弱高齢者に対して入院リスク、死亡リスク、介護環境整備の必要性を予測するうえで、CGAの視点は有用

# ERで虚弱高齢者に対して入院リスク、死亡リスク、介護環境整備の必要性を予測するうえで、CGAの視点は有用 (情報) Frailty(日本では“フレイル”と表現)は老年医学において重要な概念であるが、救急外来では十分に浸透しておらず、活用もされていない。…

日本におけるワーファリン拮抗薬としての「ケイセントラ®」の有効性

日本におけるワーファリン拮抗薬としての「ケイセントラ®」の有効性(情報)既に海外では大規模な2つの第Ⅲb相で有効性が示されている「ケイセントラ®」(静注用人プロトロンビン複合体製剤、血液凝固第II、第VII、第IXおよび第X因子の4つの血液凝固因子を合…

重症外傷や分娩後の大量出血に対するトラネキサム酸は、発症直後に投与するのが大切

(情報)外傷出血や分娩後出血に対してトラネキサム酸を使用することで、死亡率を下げることは、過去の研究で確認されている。今回は、トラネキサム酸の投与タイミングが、予後へ影響を与えるのかメタ解析で調べた。 対象は40138名の外傷または分娩後の大量…

心原性ショックを伴う急性心筋梗塞に対する緊急PCIでは責任病変のみに留めたほうがよさそう

心原性ショックを伴う急性心筋梗塞に対する緊急PCIでは責任病変のみに留めたほうがよさそう (情報)心原性ショックを伴う急性心筋梗塞(AMI)では、緊急PCIによって責任病変の再開通を迅速に行うことで、転帰を改善させることができる。しかし心原性ショッ…

人工呼吸器の肺保護戦略はERから行いましょう

人工呼吸器の肺保護戦略はERから行いましょう (情報)ARDSに対する肺保護戦略は永らく支持されているにも関わらず、ERで行われないままICU入室してから開始されることが少なくない。そのためERから肺保護戦略を実施した場合の生命予後への影響について調べ…

低酸素血症を伴っていないAMI疑い対して酸素投与を行っても、1年後の生命予後は改善しない

低酸素血症を伴っていないAMI疑い対して酸素投与を行っても、1年後の生命予後は改善しない (情報)スウェーデンで行われたRCT.30歳以上の胸痛、6時間未満の息切れ、SpO2≧90%、心電図で虚血性変化を示すかトロポニン値の上昇を認める者を対象とした。対象者…

緊急気管挿管の際にApneic Oxygenationを行ったほうが安全かもしれない

緊急気管挿管の際にApneic Oxygenationを行ったほうが安全かもしれない (情報)2006年~2016年までに行われたRCTと観察研究を対象としたシステマティック・レビュー。最終的に8つの研究を抽出し、1837名を対象にメタ解析。 Apneic Oxygenationを実施したと…

経口ステロイドで咽頭痛を和らげることができるかもしれない

経口ステロイドで咽頭痛を和らげることができるかもしれない (情報)システマティック・レビューとRCTのメタ解析。救急外来またはプライマリ・ケア外来を受診した5歳以上の、扁桃腺炎、咽頭炎、あるいは咽頭痛を訴える患者が対象。10の研究に参加した1426名…

急性心不全患者の死亡率をより正確に予測できるかもしれない

急性心不全患者の死亡率をより正確に予測できるかもしれない (情報)前向きコホート研究。2009年~2011年までに救急外来を受診した4867名の急性心不全患者を対象に、30日死亡率を予測するスコアを設計し、2014年に受診した3229名を対象に検証した。 88項目…

急性呼吸器感染症に対する抗菌薬療法の開始や中止の判断材料としてプロカルシトニン(PCT)は有用かもしれない

急性呼吸器感染症に対する抗菌薬療法の開始や中止の判断材料としてプロカルシトニン(PCT)は有用かもしれない (情報)Cochraneシステマティック・レビューのアップデート(前回2012年はPCTの有用性は見いだせなかった)。急性呼吸器感染症を対象に30日間の…

「ウチの子はペニシリンアレルギーなんです」っていう親御さんの話は,再確認したほうがいいかもしれない

「ウチの子はペニシリンアレルギーなんです」っていう親御さんの話は,再確認したほうがいいかもしれない (情報) 抗菌薬アレルギーをもつ小児は珍しくない.その中でもペニシリンアレルギーは最も頻度の多い抗菌薬アレルギーである.しかし大抵の場合,親…

AMIを疑っても,常に「大動脈解離に伴う冠動脈閉塞」の可能性を考慮して,ベッドサイドエコーを行ったほうが良さそう

AMIを疑っても,常に「大動脈解離に伴う冠動脈閉塞」の可能性を考慮して,ベッドサイドエコーを行ったほうが良さそう (情報)ケースレポート.大動脈解離によって冠動脈閉塞を招き,STEMIを呈することがある.そのようなときはベッドサイドエコー(Point of…

第6回とうほくGIMカンファレンスのお知らせ

有志の先生方と協働しながら年3回くらいのペースで,問診と身体所見を手がかりに診断思考過程を大切にして臨床推論力を高めあう学習企画「とうほくGIMカンファレンス」を開催しまています.この度,第6回企画の事前登録の受付を開始しましたので,お知らせ致…

浸透圧ギャップを認める場合は,ヤバイ状態かもしれない

浸透圧ギャップを認める場合は,ヤバイ状態かもしれない (情報)浸透圧の実測値と計算値(2x(Na+ + K+ ) + glucose/18 + BUN/2.8)の差を「浸透圧ギャップ」としている.アニオンギャップを伴うアシドーシス,原因不明の意識障害,薬物中毒の疑いがある,ア…

急性心不全の患者に対してフロセミドを早期投与すれば入院中の死亡率が減らせるかもしれない

急性心不全の患者に対してフロセミドを早期投与すれば入院中の死亡率が減らせるかもしれない (情報)The REALITY-AHF研究(日本での多施設観察研究 https://goo.gl/vtE4io)に参加した20施設,フロセミドが投与された1291名が対象.フロセミドが投与されて…

中等度の急性膵炎でも積極的な輸液療法を考慮する

中等度の急性膵炎でも積極的な輸液療法を考慮する (情報)60名が参加した単施設ランダム化比較試験。上腹部痛・アミラーゼまたはリパーゼの上昇(正常上限の3倍以上)・急性膵炎の画像所見のいずれか2つを満たした急性膵炎を対象とした。ただしSIRS、臓器障…

小児に対してERで処置時麻酔を実施する際,どの鎮静薬が無難だろうか?

小児に対してERで処置時麻酔を実施する際,どの鎮静薬が無難だろうか? (情報)6295名の小児を対象とした多施設前向きコホート研究.736名(11.7%)に有害事象が発生。酸素化低下(353名:5.6%)、嘔吐(328名:5.2%)が最も多い有害事象であった。69例…

末梢静脈路の確保困難な癲癇重積発作への対応

末梢静脈路の確保困難な癲癇重積発作への対応 (情報)末梢静脈路(IV経路)を確保できていない,てんかん重積発作に対しては,非末梢静脈路(非IV経路)(頬粘膜・直腸・鼻腔・筋肉内)でもいいかもしれない. IV経路と非IV経路での投与を比較したRCTを対象…

小児の交通事故で,腹部症状のないシートベルト痕への対応

交通事故で受診した小児において,初期診療では腹痛や圧痛を認めないものの,シートベルト痕がある場合は,腹部外傷のリスクをどのように捉えるべきか. (情報)シートベルト痕はあるものの,初期診療で腹痛や圧痛を認めない小児のうち5.7%で腹腔内損傷を…