救急医?の雑記帳

日々感じたこと,調べたこと,得たこと,目標としていることなどを備忘録目的に不定期にまとめていこうと思います.

電気的除細動の適応外な院外心停止では、エピネフリン投与までの所要時間が1分単位で生命予後に影響しているかもしれない

電気的除細動の適応外な院外心停止では、エピネフリン投与までの所要時間が1分単位で生命予後に影響しているかもしれない

(情報)
 心停止に対するエピネフリンの有用性の有無については、未だに様々な報告が出されております。しかし、現在の診療内容を大きく変更させるものはありません。The Resuscitation Outcomes Consortium research networkに参加している米国とカナダの医療機関およびEMSにおいて、2011年から2015年までの診療データをもとに調査。約32,000名の電気的除細動の適応外の院外心停止を対象に、EMS到着から初回エピネフリン投与までの時間と生存退院の関係を分析。その結果、初回投与までに1分遅れると、生存退院のオッズ比が4%低下。初回投与10分以上の群は、10分未満の群と比較して生存退院のオッズ比が18%低いことが示された。

Hansen M et al. Time to epinephrine administration and survival from non-shockable out-of-hospital cardiac arrest among children and adults. Circulation 2018 Mar 6; [e-pub]. (https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.117.033067)

私見
 結果をそのまま実臨床へ反映させるわけにはいきませんが、エピネフリンの早期投与の重要性が今回は示されました。日常診療へ照らし合わせて考えると、オンライン・メディカルコントロールの在り方、現場での救急救命士による静脈路確保とエピネフリン投与までの作業手順の在り方について、改めて考える必要があるなぁと思いました。現場での細かい手順や判断は、救急救命士それぞれで微妙に違いがありますよね。

 

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